脚本・演出:ミン・ジュノ
キム・ジュヨン、パク・ヒジョン、キム・セジョン、ユ・ヨン、パク・ソネ、ユン・ソンウォン、イ・ジョンフン 他
2023.12.15
2024.02.18
上演中
ソギョン大学公演芸術センター (スコーン1館)
”人の一生で独立した存在になるには、一つの扉から歩み出なくてはならない時があります” 演劇『テンプル』は自閉症にもかかわらず世界的な動物学者になった「テンプル・グランディン」の学生時代の実話を元に作られた作品です。 『テンプル』は人物の台詞から得られるドラマ的な構造からコミュニケーションするという情報伝達を超えて、身体の動きも最大限に活用し、人物の心理や状態、感情を伝えることができる「フィジカル・シアター」を完璧に具現化しています。 これまでの固定化された演劇の形式を克服し、斬新なトライを続けてきた劇団公演配達サービス・ガンダの演出家ミン・ジュノと振付家シム・セインが意気投合した今作は、公演配達サービス・ガンダ20周年パレードの第1作目に選べれ、更に期待が高まります。 ******************** ”私はこの扉を越えなくちゃいけない。自分がこの扉を越えられるって、自分を信じなくちゃいけない” 「絵」で考える彼女、テンプル博士の異色の自叙伝。 今では世界的な動物学者として広く知られえているテンプル・グランディンは自閉症の診断を受けるが、母の献身的な努力により普通の人とは違う自分だけの認識世界を受け入れて発展させる過程を通して、成功裡に自己開発と社会生活を送ることになる。 演劇『テンプル』は、テンプル博士が母と主治医の助けによってマウンテン・カントリー高校に入学し、そこで出会ったカーラック先生によって、自分だけの世界を受け入れる姿を身体表現を通して伝えるという独特な表現手法で伝えている。 観客は、動きと身体の仕草で表現する一般的な人たちとは違って、絵で考えるテンプル博士の異色の自叙伝をより実感を伴って感じることができるだろう。 【レビュー】 ●独創的な演出としっかりした脚本、そして繊細な振付までケチの付け所がない作品。 踊りと演劇の絶妙な調和が既存の演劇とは確実に違う味を見せてくれる。 ●我々には理解が及ばない人が、違う視点で見つめる世界を感じる事ができたし、それを見つめられるように具現化された舞台がとても良かった。 ●偏見を打ち破って、理解して共感して前に進めるように成長させてくれた作品。 ●修飾語がいらない作品。テンプルだけの公演ジャンルを作りあげた。 ●テンプルは確かにテンプルだ。何故スタンディング・オベーションができるのか十分理解できる公演。 【あらすじ】 テンプル・グランディン。1947年生まれ。アメリカのタイム誌が選ぶ「世界を動かす影響力のある100人」に選ばれるほどの天才的な動物学者。 彼女は12歳のときに、生涯保護施設で暮らすことになるだろうと医者に診断された自閉症児だった。 しかし母親の献身的な努力と、自分が持つ、他の人とは違う認識世界を受け入れて発展させる過程を通して成功裡に自己開発をしていくことになる。 中学のとき、自分を揶揄った子供達を殴って退学になり、神経発作の症状で苦痛を味わうが、母と精神科の主治医の助けによってマウンテン・カントリー高校に入学し、そこでカーラック先生と出会うことになる。 カーラック先生はテンプルの病的な執着状態を障害として放置せずに創意的で価値のあるプロジェクトを考える方向に導く。 カーラック先生の助けでイリノイ大学に進学し動物学で博士号を取得、絵で考える自身の才能を活かして、動物の移動経路にもっとも適した家畜施設を設計する。 実際にアメリカで使われている家畜施設の三分の一は彼女が設計したものだ。