脚本:ユン・ミヒ 演出:イ・インス
キム・ドウォン、キム・ソヨン、キム・スア、キム・シヨン、パク・ボヒョン、ベク・ヘギョン、ソン・インソン 他
2023.05.25
2023.06.18
上演中
国立劇団 [龍山] (ペク・ソンヒ、チャン・ミンホ劇場)
【作品概要】 「私はこのテレビをぜひまた作動させてみたいです。あの時のきらびやかさにまた向き合いたいです」 ずっと前、美術館の芸術作品で光を放っていた巨大なテレビ塔。 美術館の医師である「保存科学者」は長い間、収蔵庫に置いてあったテレビを偶然発見し、作品の生命を引き継ぐための心臓マッサージを始める。 長い間積もってきた時間の跡が少しずつ剥がれながら、作品は新しい時間を刻み始め、過去の隠された物語は保存科学者に出会い、また別の物語として続けられていく。 これは芸術作品の一部なのか、それともただ捨てられたモニターだったのか。 廃墟となった世界に一人残された保存科学者が守りたかったことは何だろうか。 ●誕生と消滅、そして復活の物語 一日中テレビの前を守る父親と、お金も夢も叶ったことは一つもない3人の子供は「惨めな人生」から抜け出そうと必死になっている。 ある日消えた父親、存在の意味を失ったテレビを置きに行った美術館で彼らは未来の保存科学者と出会い、残されたものの意味を問うことになる。 以前の作品で絶えず「消滅」を語ってきた作家ユン・ミヒは、保存科学者に無限の生命力を感じ、翻訳家とドラマトゥルクを行き来しながら深みのあるリサーチで観客の共感を引き出す演出家のイ・インスと出会い、『保存科学者』を誕生させた。 私たちは何を残して何を「保存」すべきか。時を越えた出会いは今日の私たちに質問する。 ●「創作共感:作家」 二回目、作家ユン・ミヒ 同時代と共に息をしてる新しい劇作家とのコラボレーションによる創作劇開発を試みる「創作共感:作家」を通じて開発された作品で、2022年の公募を通じて選ばれた2人の作家、イ・ソヨンとユン・ミヒが約1年間の準備過程を経て2023年に正式舞台として披露する。同時代の探求と同時に、作文において新たな視点を獲得し、作家の世界を完成させていけるよう、勉強会やワークショップ、合評会などの過程を共にしながら、フィードバックを受ける過程を経て戯曲を執筆した。 ペク・ソンヒ、チャン・ミンホ劇場で上演される「創作共感:作家」、2回目の本公演である『保存科学者』は過去、現在、未来を行き来する物語の中の物語を通じて保存の意味と価値を探し、抽象表現や寓話的な表現でありながら、現実とかけ離れてない一般的なストーリで心に長く響くものを与える予定である。 ● 脚本:ユン・ミヒ ユン・ミヒは現実的な作品より抽象表現や寓話的な表現の作品を通じて卓越した自分だけの劇作の世界を広げている次世代の劇作家だ。2020年、2021年韓国文化芸術委員会公演芸術創作産室台本公募、2021年ソウル演劇祭短幕戯曲公募などに選ばれ、着実に自分だけのユニークな世界を証明している。自分を最もよく表現するキーワードは「戯曲」だけだというユン・ミヒ作家は今回の「創作共感:作家」『保存科学者』の話を通じて、果てしなく続く意味探しの旅の中での消滅と保存に関する話をしようと思う。 主要作品: 『想像してみるだけで』、『透明な家』、『私には顔を撫でる手がない』、『マリのためのとても些細な決定』、『怒った波の中に座っている君へ』他 受賞: 2022 アルコ文化創作基金発刊支援選定 2021 韓国文化芸術委員会公演芸術創作産室 台本公募選定『イパンゴム、ムルセンミ』 2021 ソウル演劇祭短幕戯曲公募佳作『怒った波の中に座っている君へ』 2020 韓国文化芸術委員会公演芸術創作産室 台本公募選定『魚のお腹の中で』 ● 演出:イ・インス イ・インスは翻訳家とドラマトゥルクを行き来しながらテキストを深く語るのに優れている。彼が盛り込む作品は繊細な解釈で高い公演完成度を誇る。今回の「創作共感:作家」『保存科学者』でもやはり深みのあるリサーチを通じて作品を深く理解し語るイ・インスだけの解釈方法で、作家の戯曲に息を吹き込んで観客に伝えようと思う。 作品: 『輝く虫けら』、『その女の話』、『オペラ・シャルロット・ロニク』、『クラス』、『これは実存と生存と利己についての話』、『ANAK』、『セラピー』、『私たちは初めて会ったか、あまりにも長い間知っていた』、『二つの部屋』、『ピローマン』他 翻訳: 『ヴィンセント・リバー』、『オイル』、『コンセント:同意』、『女王とナイチンゲール』、『ステディーレイン』、『これはロマンスじゃない』、『グローリア』『夜中に犬に起こった奇妙な事件』他 【あらすじ】 ほとんどの昔のものが形が分からないようになったり、宇宙のほこりに変わってしまった未来。 役に立たないものを保存すべきかを専門家たちが議論する中、「保存科学者1」は非常に古くてつまらない物の真実に近づこうと努める。 現在、ここにはある家族がいる。一日中テレビの前にだけ座っているお父さん、事業に失敗した後立て直しできないでいる一番目、夢に届かず諦める直前の二番目、お金を稼ぐために専攻と違う仕事をする三番目が、各自の門と戦っている。 そしてずいぶん前から始まったある門の前で繰り広げられる物語が続く。門は何度も崩れては立て直されることを繰り返す。ある瞬間から時間が入り混じって互いが互いの話になる。